それでも僕は君といたい。
ガラリー
教室の扉が開き、何人かの新入生が続々と入ってくる。
その音につられ僕は席に着き前を向いた。
自分の顔を彼女に見られたくなかったから。
ドクドクドク・・・
閑静な教室に自分の心臓の音が聞こえてしまいそうで
必死に僕は胸を抑えた。
その後担任が入りHRを終え、
体育館に移動して入学式を終えた後もずっと
僕は彼女のあの笑顔が頭から離れることはなかった。
それどころか、
何もないところで彼女を意識して見てしまう。
こんなこと生まれて初めてで
始めはどんな感情かさえわからなかったけど・・・
だけど、
高校生にもなって未だ理解できないほど
僕も子供じゃないことぐらい承知だった。
「はぁ・・・・」
早めに終わった学校から自宅への帰路を辿る途中。
僕は思わずため息を漏らした。
ーーーーーーまったく僕らしくない。