雨宿り
「「おまえ、なんか隠してる?」」
授業中に夏樹から回されて来た
手紙をみて固まる。
やっぱり昔からの仲だからすぐばれちゃうのかあ、でもあの公園のことはわたしと雨くんだけの秘密にしたいから黙っておこう!
「「なんにも隠してませ〜ん!」」
そう紙に書いて夏樹に渡した。
「じゃあ、晴!またね!」
「う、うん!またね!」
夏帆と別れ公園に早歩きで向かう。
なんでこんなに急いでるの?って
思うけど体が勝手に急ぐから仕方ないと自分に言い聞かせる。
公園に着くとやはり雨くんのほうが先にきていていつも通りわたしに背を向けていた。
「..雨くんっ」
「おー、やっときた」
「うん、」
雨くんの隣に移動して子猫に餌をあげる雨くんを見る。
ただ餌をあげてるだけなのに
その動作はすごく綺麗で見とれてしまう。
「なに?なんか、俺についてる?」
「え?いや!別に、」
「ん?」
「なんでもない!」
「ふーん、そっか。
晴も、餌あげてみる?」
「え?いいの?!」
そう聞くとふっと優しく微笑んで雨くんは頷いた。
「いいよ、はい」
「..ありがとう」
子猫はこちらをちょっと不安そうな目で見ていてあまりよってくれない。
「んー怖いのかなあ?」
「しょうがないな」
ぐっと雨くんは顔を猫に近づけて
優しい声を出した。
「大丈夫。こいつ、悪いやつじゃないから。」
「っっ、」
「ほら、もう大丈夫。もう一回チャレンジ。」
赤くなる顔を抑えながら
餌をもう一度差し出すと
先程の不安そうな目は消えて
美味しそうに餌を食べてくれた
「え!すごい!食べてくれた!!」
「よかったじゃん。」
喜ぶわたしの頭を笑いながら撫でてくれる雨くんに心臓が掴まれた感覚に落ちてしまう。
「..あっ、うん、よかった。
雨くん、ありがと!!」
「いえいえ」
「雨くん最初はちょっと怖かったけど
なんかすぐ優しい人だってわかった!」
「最初怖かったんだ?笑」
「だって追い払う仕草とかしたから、、」
「ああ、あれは猫が寝てるから
起こしちゃまずいとおもって。」
「そうだったんだ。」
内心ほっとした。
子猫が餌を食べ終えると優しくそこ頭を撫でてわたしの方に向き直った。
「晴ってさ、雨ふってても
出かけられる?」
「え?うん!全然へいき!」
「じゃあ、きて。」
ぐいっと腕を掴まれて雨くんに引っ張られる。
「え、雨くん??!」