さよならのキスの代わりに
さよならのキスの代わりに
恋だとか、愛だとか。
好きだとか、嫌いだとか。
そういう感情は、
目に見えないから、困るんだ。
「ねえ、ユウ先輩」
「なに、マイ」
先輩が私の名前を呼んで笑う。
それが、嬉しくて。
先輩もきっと私のことが好きなんだと伝わってくる。
それが、愛しくて。
だけど、気持ちは目に見えないから。
私はいつだって先輩の愛を感じていたくて。
私のことをいつだって見ていてほしくて。
だから、私は先輩を困らせた。苦しめた。
私の、たくさんのワガママで。
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