さよならのキスの代わりに
弱い、弱い、私はきっと。
先輩がいない日々を歩くことさえおぼつかない。
ずっと先輩を見失わないように、
ずっと一緒にいられるように、
その手をつかんで、足を引っ張って、
行かないで、と
そばにいて、と
望んで 願って しまうだろう。
だけど、それじゃもうダメだって
痛いくらいに分かっているから。
この手が、声が、
触れられないほど遠くへ
届かないほど遠くへ
先輩が行ってしまうのなら。
手に残る熱が、耳に残る声が、
消えないうちに
残っているうちに
先輩を遠くへ
2人を過去へ
…それがきっと、未来を歩く先輩へのはなむけだ。