さよならのキスの代わりに
それから私の両頬を両手で挟んで、くすっと微笑んだ。


「じゃあ俺も、良い機会だから言わせてもらうけど。


マイのこと、ワガママだって思ったことはないよ。

まあ、マイが可愛すぎて胸が苦しいときはあるけど」



可愛いとか、そういう台詞をサラッと言ってしまうんだから、先輩は本当にずるい。


すると先輩は不意にそばに置いていた紙袋の中から何かを取り出して私に差し出した。


「これを、マイに」


「これは…」


澄んだ水色の小さな花弁が5つ。

それがいっぱい集まってできた花束。



「ブルースター。

花言葉は、信じあう心」



先輩は私の頬に手を添えた。



「そんな花言葉を持つ花をマイに贈る意味、分かる?」


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