独り歩き〜冷めたキミの目〜

お前の抱えてる苦しみって何なの？


それは俺にはわからないものなの？


そう思うと悔しくて。


「ごめん…」


謝るしかなかった。


「えっ？」


「何も知らないのにこんなこと言って…。さっきも、急に怒鳴ったりして。お前にだっていろいろあるんだよな…」


俺には何もわからない。


わからないんだ。


でもさ…


わかりたいって思うんだよ。


それだけじゃダメなのか？


心の中でそっと呟く。


そんな声は聞こえるはずもなく、広瀬はまた作り笑いする。


目の前にいるのに、その距離はあまりにも遠すぎて。

今その距離を実感させられて、胸が締め付けられるように痛かった。