独り歩き〜冷めたキミの目〜
「…つくし、ダルいなら先帰ってもいいよ?これから買い物するし。」
奈々の言葉に思わずピクッと反応してしまった。
もう帰っちゃう?
そう思って振り返ると、広瀬はため息混じりにボソッと呟いた。
「邪魔なら帰るけど。」
冷たく言われた言葉に、俺の胸はまた痛む。
何でだろう?
何で広瀬は自分を責めるようなことばっかり言うんだろう?
どうして自分を大事にしないの?
どうして自ら自分を傷つけるの?
締め付けられるように胸が苦しくて、俺は思わず胸に手をあてた。
「邪魔とかじゃなくて…」
「わかったよ。帰る。」
そう言って走り去った広瀬の後ろ姿を見つめながら、俺はただ立ち尽くした。