婚活中毒!
 自分の婚活履歴を得意気に話す男性(「参加回数=経験値な男」参照)。

 私は核心に迫っていきます。

「それだけ参加されているなら、一人くらい「良いな」と思った人がいるでしょう?」
★「はい、もちろんいますよ」

「その出会った女性と食事に行ったりしたんですか?」
★「いや、それがねぇ……」

 口籠もった……。恥ずかしくて自分から誘えないタイプなのだろうか?


★「イベントの外で会うのって、緊張しませんか?」
「はい?」
★「それに、イベントの外だと一般の人もいるし……」
「え? それが何か?」
★「だから、次はこの会場で会おうって約束したんです」

(はああ~~?)

「……で、イベントに彼女来たんですか?」
★「来ませんでした」
 そりゃそうだろう。


★「絶対外で会うより安全だから、いいと思ったんだけどなあ」

 まさか、自分が何をしでかしているのか気づいておられない!?

 痛い。痛すぎる……。
★「良かったら、今度ここでイベントあるんで。一緒に参加しませんか?」
「嫌です。イベントの外なら行きますよ。お食事とかなら」
★「え、だからそれは緊張するから。外には柄の悪いやつだっていっぱいいるし、イベントの中の方が安心して……」
「イベントの常連って思われるの、嫌じゃないですか?」
★「最初は嫌でしたよ。また同じ人に会ったら気まずいなって。でも、回数重ねればそういうのにも慣れますよ」
 慣れじゃない。それ、感覚麻痺っていうんですよ。
 既にそこから抜け出せなくなっている。最早末期だろうか。

★「さっきもいいましたけど、イベントの中で何度か会ううちに仲良くなってカップルになる人だってたくさんいます。僕の身近にそういう人がいるから、保障できます!」
「イベント会場限定の出会いってことですか?」
★「だって、そうやって絞り込んでいけば確実に……」
「私はイベントの常連になるのは嫌です」
★「嫌なのは最初だけですよ」
「じゃあ他の人と行くんでいいです。あ、婚活イベントじゃなくて、お食事の方に」


 後日、セミナー講師の方を通して、主催者側の声を聞く機会があったので聞いてみました。
 市の職員、結婚相談所経営者がいくら骨身を削っても、参加者の大半がフォローのしようがないくらいの、あまりに非常識な常連が多すぎて困っているとのこと。

 ここで一つの方程式が浮かびました。


 婚活イベント常連者=主催者泣かせ



 つまり、結婚どころか、人としてのマナーがなっていないうえに、「出逢うこと」自体が彼らの目的となってしまうため、結果的に主催者側の意図とかけ離れた地獄絵図と化してしまうのだ。

 しかも、当の本人は性懲りもなく、また新たな出会いの場所でおめでたい勘違いを重ねるたびに、それが自らの経験値と思い込んで、さらにそれを全面的に得意気にアピールする。


 ここまで来れば、もう言うまでもない。


 成果なんて、あるわけがないじゃないか!
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