未熟女でも大人になっていいですか?
帰りの車の中で高島はお父さんとの確執について語った。


「あいつはいつも俺を兄貴や弟と比べるんだ。出来のいい兄弟の中で、俺は一番の不出来だから」


「つまり望さんの意地の問題なのね」


「意地じゃねぇプライドの問題だ!」


「プライドと言うと綺麗だけど、要は頑固過ぎるだけじゃない」


「頑固とか言うな。俺が意固地みたいだろう」


「十分意固地な性格よ。お父さんも望さんも」


「可愛くねぇ女だな」


「ええそう、アラフォーですから」


笑いながら家に向かった。



帰り着いたら一番先に両親に報告しようと思う。


高島の家族に会えたこと。

少しだけ悲しい思いや悔しい思いもしたけれど、素敵な思い出が作れたこと。

来月には簡素だけど式を挙げることになったから、きっと自分は幸せになれるだろうと思う……と。



(だから、どうか安心して下さい……)



ゆっくりと手を合わせて拝んだ。

高島と一緒に生きれるようになった今が、何より一番幸せで有難い。



(今後もどうか、見守っててね……)



顔を上げると、両親の写真は笑っていた。

同じように笑みを浮かべ、私はこれからも高島との絆を結ぶ。

大切な人達の輪の中に溶け込んで、ずっと愛を重ねていくのだーーー。




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