未熟女でも大人になっていいですか?
「ええ〜っ、花嫁衣装はナシ〜!?」


「それでも良ければ呼びますけど」


「うーーん…それでもいいから呼んで欲しい。保証人の1人に加わりたい」


「物好きね、音無さん」


「私は実際のイケメンを見たいだけよ」


写真の高島だけでは物足らないらしい。

それではどうぞよろしく…とお願いして、ゲストの1人として招くことになった。




「望さんの方は誰が式に来る予定なの?」


夕食を食べながら聞いてみた。


「両親と婆ちゃんと兄弟家族くらいだろう」


「私、お兄さんや弟さんには初めて会うんだけど…」


「ああ、心配するな。俺も10年かそこら会ってねぇ」


「そりゃそうでしょうね。実家にも10年ぶりに戻った人だもんね」


もしかして、兄弟とも仲が悪いのではないか…と聞いた。

けれど、高島はこう答えた。


「安心しろ。親父からは煽られたりするけど、別に兄弟の仲は悪くねぇよ」


「そう…じゃあ、安心ね」


ギスギスした空気の中で入籍するのだけは気が引ける。

ホッと気持ちを落ち着かせて自分の親戚について語った。


「私は今度の法要の日に聞いてみようと思うけど…」


式よりも先に母の百か日法要がある。

父方と母方の親戚はその時に数人来る予定だ。


「間違いなく出席してくれるのは母の妹にあたる伯母さんと父のお兄さん夫婦ね。どっちも大丈夫だと思うけど、後の親戚は微妙かな」


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