未熟女でも大人になっていいですか?
「藤ちゃんが結婚するのに知らん顔なんてさせないから安心しなさい。お父さんの方もお兄さん夫婦に頼んでみてと言ってみるから」
伯母の心強い言葉に頷きホッとする。
せめて式だけでもきちんとした形で挙げて、皆に祝福されたいと思っていたから助かった。
夕飯の片付けを後に回し、3人で仏壇のある和室に移動した。
「さっきの続きを話さないとね」
伯母は畳の上に座ると直ぐに口を開いた。
「間違って届いたお見合い写真の話からしようかしら。実はその写真、本当は全然別の家に届く筈のものだったの」
「えっ!?それがどうしてお母さん達の実家に!?」
「あのね、それが届けられた日は酷い土砂降りの日でね。宛て先が雨で濡れて文字がほぼ判別できずにいたの。
それで、たまたま読めた宛名だけを頼りに我が家に舞い込んできたという訳」
「そんないい加減なことって…」
「昔はそんなこと結構多かったのよ。…ただね、その宛名を書いた人物の名前を姉さんはよく覚えていて、自分に文句を言ってきたのだろうと考えて封を切った」
「まさか、その差出人って……」
「そうよ、藤ちゃんのお父さん、『仙道 保(せんどう たもつ)』さん。そして、宛名は『山縣 蜜(やまがた みつ)』様。
それを漢字で書いてたら良かったのに、あろう事か全てカタカナで記されていた。
お陰で姉さんはコートを買わせた男が文句を言ってきたのだと勘違いをして……」
伯母の心強い言葉に頷きホッとする。
せめて式だけでもきちんとした形で挙げて、皆に祝福されたいと思っていたから助かった。
夕飯の片付けを後に回し、3人で仏壇のある和室に移動した。
「さっきの続きを話さないとね」
伯母は畳の上に座ると直ぐに口を開いた。
「間違って届いたお見合い写真の話からしようかしら。実はその写真、本当は全然別の家に届く筈のものだったの」
「えっ!?それがどうしてお母さん達の実家に!?」
「あのね、それが届けられた日は酷い土砂降りの日でね。宛て先が雨で濡れて文字がほぼ判別できずにいたの。
それで、たまたま読めた宛名だけを頼りに我が家に舞い込んできたという訳」
「そんないい加減なことって…」
「昔はそんなこと結構多かったのよ。…ただね、その宛名を書いた人物の名前を姉さんはよく覚えていて、自分に文句を言ってきたのだろうと考えて封を切った」
「まさか、その差出人って……」
「そうよ、藤ちゃんのお父さん、『仙道 保(せんどう たもつ)』さん。そして、宛名は『山縣 蜜(やまがた みつ)』様。
それを漢字で書いてたら良かったのに、あろう事か全てカタカナで記されていた。
お陰で姉さんはコートを買わせた男が文句を言ってきたのだと勘違いをして……」