未熟女でも大人になっていいですか？
「あっははははは！」


少し酔っていた高島が声を上げて笑った。

伯母はその声を聞き、自分でも可笑しくなったようにほくそ笑んだ。


「開いて出てきた物は一通の手紙と顔写真が数枚。相手の経歴までが書かれてある手紙を読みながら、姉さんはどうして自分とお見合いを？と悩んだ」


「悩むくらいならしなければ良かったじゃない。大体、別の人の所へいく筈の手紙だったのでしょう？」


納得のいかないことが多過ぎる。

こんな偶然が２人の始まりだとは思いたくもない。


「あのね藤ちゃん、蜜姉さんは最初お見合いを断る為に義兄さんに会いに行ったのよ。

それが何故かお見合いが済んで帰ってくる頃にはすこぶるご機嫌に変わっていて、『私、あの人と結婚してもいいかな〜』とか言う始末で」


「どうして！？何の心境の変化！？」


伯母の話が断片的過ぎて分からない。

その理由はハッキリしないと残念がりながら、桜伯母さんはもう一つの偶然について話し始めた。



「さっき藤ちゃんと彼の会話を聞いて、姉さん夫婦の会話と似てるな…と思ったの。あの２人もよく甘噛みし合う様な会話をしていたから」


「甘噛みって……私達、犬じゃないんだけれど」


不服そうに唇を尖らせる。


「ごめんなさい。そんな風によく戯れ合ってたってことが言いたいの」


全くもう…と息を吐くと、それまで話に参加してこなかった男が喋った。


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