未熟女でも大人になっていいですか?
時間の許す限りお話をさせて頂き、交流の第一歩を築いていければ良いかと願っています。


文章が固苦しくなり、誠に申し訳ございません。

貴女様にお会いできるのを心より楽しみにしております。



仙道 保


追伸、この度が初めての顔合わせとなりますので、写真を数枚同封させて頂きます』





「うーーん」


これまでにも何度か読み返したけど、どうもおかしい気がする。


そもそもこの仙道さんのお父さんは、自分の父と知り合いなのかどうかが怪しい。


父に何気なく尋ねてみたことがあったけど、「何のことだ?」と逆に聞き返されてしまった。




「いいの。分からなければ」


咄嗟の判断で言葉を濁した。

その時、何かの間違いなのかな…と、ふと思った。


しかし、それを確かめるには手紙の差出人に会ってみないといけない。

会って事実を確かめてからでも遅くはない…と思い直し、今日という日を迎えた。



会おうと思った理由は他にもあった。

待ち合わせに指定された場所が、以前から一度は行ってみたいと思ってた喫茶店だった。


その店の一番人気の商品『濃厚な味わいが自慢のチーズケーキ』は、「絶品である!」と会社の同僚達が話していた。


(ーー是非とも一度でいいから味わってみたい!)


食いしん坊な私は直ぐにそう思った。

例えばこの手紙が何かの間違いであったにしても、その時はチーズケーキを食べに来たんだと思えばいい。


< 181 / 208 >

この作品をシェア

pagetop