未熟女でも大人になっていいですか?
胸に擦り寄ってくる体は柔らかく、いい匂いがしていた。

女性に初めて触れる訳でもないのに特別な思いがしている。



「大切に扱うよ」


ホテルの部屋の中でそう囁くと、蜜はふるふると首を横に振った。


「これ以上ないくらい荒く抱いて。私が一生忘れられないくらいの熱さを残して今日という日を忘れさせないで欲しいーー」


処女とは思えない言葉を吐いて自分から唇を寄せてきた。

ゾクゾクとする程いい女の蜜を吸い取り、全てを熱に変えて抱いた。



「たもつ……さ………んっ……!」


腕の中で蜜が何度も声を上げる。

その声を聞きながら更に激しく彼女を抱く。

息を切らしながら見つめる女の顔は嫋やかで、これ以上にないくらい淑やかで幸せそうにしている。



「……君を一生愛すよ」



甘く蕩ける様な僕のハニー。

この恋を決して手放さない。


深く愛し続けていく。


例え、誰にも認めてもらえなくてもーーー。




幸せの絶頂にいる最中、人は不幸の欠片も見ようとしない。

この日から10年も経たないうちに、僕はこの世を去ることになるとも知らずにそう誓った。



大工仲間達と協力して家を作り上げたのは3年後。

その家の庭に藤棚を作ろうと思い立ったのは、この愛が永遠のものとなる様、記念を残したかったからだ。



「藤は万年木だからね。毎年綺麗な花も咲くし丁度いい」


蔓の誘引も任せおいて…と植えながら蜜に話した。


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