未熟女でも大人になっていいですか?
駆け出した恋は愛に変わり、一粒種の『藤(かつら)』が生まれたのは、それからもう1年が過ぎた春。
「ほーら、高い高い!」
肩車が大のお気に入りの娘はキャキャと喜びの声を上げる。
笑った顔が蜜に似ている。
だから、その顔が見たくてついつい笑わせてしまう。
「保さんは藤が大好きね」
やきもちの様な言葉を聞いて蜜のことも抱き留める。
「妬かない妬かない」
両手に持った宝は僕にとって幸せの象徴だ。
けれど、それは永遠には続かなかった。
僕は知らぬ間に病魔に侵された。
沈黙を守っていた病巣が広がり、手の施しようが無くなってから初めて顔を覗かせたーーー。
「ほーら、高い高い!」
肩車が大のお気に入りの娘はキャキャと喜びの声を上げる。
笑った顔が蜜に似ている。
だから、その顔が見たくてついつい笑わせてしまう。
「保さんは藤が大好きね」
やきもちの様な言葉を聞いて蜜のことも抱き留める。
「妬かない妬かない」
両手に持った宝は僕にとって幸せの象徴だ。
けれど、それは永遠には続かなかった。
僕は知らぬ間に病魔に侵された。
沈黙を守っていた病巣が広がり、手の施しようが無くなってから初めて顔を覗かせたーーー。