未熟女でも大人になっていいですか?
ウキウキしながら朝食を作って食べた。

予定通りに掃除と洗濯を済ませ、買い物へ行こうか…と話していたところへ彼等はやって来た。




ピンポーン


鳴り響いたチャイムの音に顔を見合わせる。



「誰かしら?」


「分からん。取り敢えず出てみれば」


高島に言われて廊下を走る。


「はい。どなた様?」


すりガラス扉の反対側に見える傘の山に向かって問いかける。


「仙道 藤先生のお宅ですか?」


若い男性の声がする。


「……はい。藤は私ですけど」


返事をしながら悪い予感がした。


「あの、僕ら先生の教え子達です。10年前、付属高でお世話になった」


「えっ……」



サッと血の気が引いた。

過去から届いた訪問者にゾクッとする寒気を感じて立ち竦んだーーー。



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