未熟女でも大人になっていいですか?
叫びだしそうな憤りを感じて、最初は体がブルブルと震えたけれど………


大人になった後ろ姿に安心した。

過去に臆せず、自分の道を歩いているのが嬉しかった。



だから、今度は自分の番。

高島を受け入れて、自分も幸せになろうと思ったけれど。


キス以上は断られるし、1人で寝てくれ…とも言われる始末。



「全部が重いのかな、私………」


過去の傷も現在の自分も。


「どう見ても気楽そうに生きてきた感じの人だもんね」


左官業だけは真面目にやっている。

でも、その他のことは知らない。


「今夜はこれで良かったのかも……」


何も知らないまま体を許さなくて良かったのかもしれない。

雰囲気に流されて、後から知る事実が重かったら最悪だ。



「とんだ記念日だわ」


諦めてベッドに潜る。

唇に残った熱に胸をときめかせながら目を閉じる。

今夜は甘い夢が見れるといいな…と思いながら、ゆっくりと深い眠りについた。



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