未熟女でも大人になっていいですか?
直ぐに映像を確かめ、他の2人を手招いた。



「……わぁ!フジちゃんの笑顔ステキ!」


上谷さんの声が弾む。


「ホント。大人の女性って感じ」


「上谷、差つけられてっぞ!」



からかう琴吹君を上谷さんが怒る。

ぽかんとしながら3人を見ていると、高島が寄ってきた。




「いい顔してたぞ」


優しい表情で笑う。


「望さんのおかげかもね」


答えながら微笑む。


いつもいつも助けてくれる。

重い荷物を必ず軽くしてくれる。


貴方に会えて良かった。

本当に、心からそう思う。




「……あの」


振り向くと彼等がいる。

私の天と地を、両方知っている教え子達。


「折角なんで、お二人の写真も撮らせてもらっていいっすか?」


「同窓会では流しませんから」


「お約束しまーす!」


3人の期待に満ちた視線が眩しい。

高島と目を合わせ、仕方ないか…と頷いた。



「……ただし、一つだけ希望がある」


私の横に立ちながら高島が3人を見る。


「カツラのことを同窓会で聞かれたら、沢山笑って幸せそうだったと話せ。カツラはロボットなんかじゃない。お前らと同じ生身の人間なんだ」


「望さん…」


別の意味で傷ついていることを証明する。

その思いを噛み締めるかのように、3人の表情が引き締まった。



「分かりました。必ずそう言います」


立石君が誓う。


「私も。フジちゃんは明るかったって話す!」


任せて…!と上谷さんの声のトーンが上がる。


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