未熟女でも大人になっていいですか?
「はぁーー……」


情けねぇ。

肝心な時に役に立たなくなるなんて初めてだ。


「緊張し過ぎたのか?俺…」


ずっと触れたいと思っていた女を目の前にして、予想以上に興奮していたのは確かだ。

恥ずかしそうにはにかんで、申し訳なさそうに声を発した。



「は…初めてなので……優しくお願いします………」



震えてる肩が印象的だった。

ガキの頃に戻ったように、ぶるっと自分の身も震えた。



(優しく、優しく………)


呪文を唱えながらカツラの唇を奪って、そこまでは良かった。



(やばっ……なんか興奮し過ぎて抑えられねぇかも……)


いきなり動きを早めたらカツラはビクつく。

そしたら、あの時のことを思い出してパニックを起こすかもしれない。



(まずい。それだけはやめねーと…)


冷静に、冷静に……と頭を切り替え出したら、急にその気が失せてしまった。



(あれ……?)


力の無くなった下半身に目を向けた。


(何故だ…?)


気持ちを奮い立たせようと、カツラの肌に近寄ったけれど変わらない。





「今日はやっぱりやめよう」


言い出しながら情けなくなる。

こんなことは初めてだ。

好きな女を前にその気が失せてしまうなんて。



「えっ………?」



唖然とした顔してた。

当然だ。

カツラはやっと意を決したんだから。


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