未熟女でも大人になっていいですか?
「な、何故!?」


大きく震える胸の内を隠した。

高島は私の背中を壁に押し付け、ずいっと近寄ってくる。


「我慢できなくなったら襲えるように」


熱い視線が視界を遮る。


「そんなことさせない……」と言う隙も与えず、唇を塞がれた。



「生徒にばっか優しくするな。だからお前は襲われるんだ」


隙を見せるな…と囁く唇が耳たぶを噛んだ。

ビクッとなるのを愉しむかのように首筋を舌先でなぞる。



「の…望さん、やだ…」


体が強張る。

高島だと分かっているけれど、やはり何処か恐ろしい。


「カツラの首筋にキスマーク付けたい」


強くて熱いものを感じた。

痛みにも似ている吸い付き方に膝の力が抜けていく。


「……あっ……」


カクン…と膝が折れ、しゃがみ込みそうになる。

その体を受け止めて高島が支える。



「お子様だな」


声が笑っている。


「楽しみが増えた」


完全に遊んでいるし。



「あのねぇ…望さん!?」


ガクガクと膝が震えながらも呆れる。

笑う高島と2人、暫くその場で抱き合った。





夕飯は高島のリクエストで握り寿司を買った。

食べながら旅行は何処へ行くつもりなのかと尋ねたらーー



「師匠に会いに行こうかと思う」


缶ビールを片手に呟く高島を見つめた。



「師匠?もしかして、左官の師匠のこと?」


「ああ。本人は宮大工なんだけど」


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