悪戯な唇
曖昧な唇
キス
今日は親睦会も兼ねて仲の良い同僚達とお花見真っ只中
桜が咲き誇る丘の上では、あちこちでもいくつかの団体のお花見と称しての飲み会が盛り上がっている。
雲ひとつない夜空に輝く月がとても綺麗で、月の明かりに照らされる桜も妖艶で引き込まれる美しさにお酒も進んでいた。
野外の開放感に仲間達は、グデングデンに酔っ払って腹踊りを披露する者、桜の気に抱きつき叫んでいる者、数人の女の子は、今流行りの曲を口ずさみながら踊ってた。
私の隣にいた友達も、いつの間にか混ざっていて、そんなバカ騒ぎをしている光景を私は笑っていた。
心配するより笑っている時点で、私は既に酔っ払っていたのだろう…
でないと、後に起こった出来事にいい訳ができない。
ふと、隣からの視線に気づき顔を向けるとデスクが隣の篠川さんがいた。
彼は、会社の中でも有望株で顔もイケメンの部類に入るらしく、身長もあるからスーツ姿が様になり素敵だと騒いでいる。
だけど、この男、女には滅多に笑顔を見せないし、用がなければ近づくことも許されない。
近づくなオーラを醸し出している。
そこがクールで素敵と彼女達は、遠巻きに見て目の保養にしているらしい。
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