悪戯な唇
あっ…
私は、キスマークの事だと思い浮かべ、慌てて袖を通しジッパーを上げた。
チームメイトは、勝利の金一封に気持ちがいっていたようで、私達のやり取りを気にしてないのが救い。
キスマークなんて、見えてしまうと卑猥に見えてしまうからタチが悪い。
卓球チームとドッチビーチームは、残念ながら敗退。
それでも金一封は大きく、近くの居酒屋目指し、祝勝会へと流れていく。
汗臭さが気になるけど、それはみんな同じでお酒もはいれば、すぐにドンチャン騒ぎが始まるから…気にならなくなる。
だけど、脱ぎたくても脱げないジャージ。
お酒もはいり火照った体で、熱いったらない。
もう…涼みに出るしかないかもと席を立った。
お店に入った時はまだ明るかった外も、今は真っ暗だ。
外にあるガードレールに腰を預けてジッパーを下ろし冷んやりする空気を感じる。
ん〜涼しいと空を仰ぎ、ボーと月を眺めていた。
そこに篠川さんが…
「お前、無自覚なのか⁈」
はあっ?
手首を掴まれ、店の横にある路地へ
また、キスするつもり?
抵抗のつもりで自分の手で口を塞いだけど…彼の指が胸の谷間をなぞっていた。