悪戯な唇
愛を囁く唇
キスの意味
「……俺が好きなら待ってないで‥キスしてこいよ」
意味深な笑いを浮かべ悪戯に私の唇を指先でなぞり弄ぶ男。
急かすように男の人差し指が閉じていた唇を割って強引に口の中に入ってくる。
そして…ゆっくりと指を抜いていく、その指を私の唇が食んでいた。
「やっぱり、この唇は誰にもやれないな」
そう言うと男の両手は私の腰を引き寄せ
体を密着させていた。
催促するように、顎だけで促し待つ男。
憎らしいぐらい色気のある笑みに引き寄せられて唇を重ねてしまう。
チュッと音を立て、離れていく唇。
その唇を追いかける私。
彼の首にすがるように手を伸ばし、男の後頭部を手のひらで押さえ再びキスをする。
悪戯が成功したとでもいうような笑いが漏れると、角度を変えて唇を弄ぶ男の唇にされるがままキスをしていた。
「美羽…手伝うよ……」
ドアを開け入ってきた梨花が、口を押さえ頬を染めて驚いている。
「チッ…邪魔が入ったか。美羽、まだ話しの途中だってわかってるよな⁈帰り一緒に帰ろう」
驚く私とは違い、冷静な男は、拒否できないように甘い声で睨みをきかせてくる。私は、ただ、頷くしかなかった。