悪戯な唇
ううん…
全然ダメじゃないです。
上目遣いで首を横に振り答える私。
「……その顔、可愛すぎ。ヤバイな…美羽の手料理できるまで待ってられないかも…パッパッと作れる?」
「パスタでいいなら…」
「それなら、俺も手伝える。買い物して帰ろう…」
なんでも揃うドラックストアでは、新婚カップルのように彼がカートを押して、手を繋いで買い物。
パスタの材料以外に、カゴの中に入っていくお泊まりセット。
そして…当たり前のように彼がカゴの中に入れた避妊具。
レジには、若い男の子がいて、はずかしくて顔をあげれなかった。
そんな私を、道中、ずっとからかう篠川さん。
「美羽が真っ赤になっているから、レジの子も真っ赤だったよなぁ」
「もう、意地悪…篠川さんが変なこと言うから…」
「早く食べたいって言っただけじゃないか⁈美羽もあの店員も勝手に誤解していやらしいことに結びつけるのが悪い」
ニヤッと意地の悪い顔をして憎らしい。
「もう、知らないです」
フンと口を尖らせ彼の部屋の前に着くまで口をきかなかった。
中に入ると彼が振り向き際に唇にキスをしてきた。
「……もう、我慢しない。キスする度に好きって言わせて」