双子
友達
いつもと変わらない朝がきた。
部屋の窓辺から朝日の光が射し込む。
とても眩しい。
「優子、朝よ。起きなさい」
階段の下から聞こえる母の声。
私はもう、起きてるのに。
私は、春野優子(はるの ゆうこ)。先月に引越ししてきたばかりだ。
以前、山奥の方に住んでいた。
母といい、父といい…とても変わってる人だ。
父と母は、自然が大好きだ。
だからこそ、大自然の中で生活でもしたっかのだろう。
そんな夫婦が都会のこの町に引っ越すなんて思ってもいなかった。
東京都の都内に」引越ししてきたのだ。
やっと、都会の子になれる。
やっと、都内の高校に行ける。
それが嬉しかった。
「まだ、起きてないのー?」
再び聞こえる母の声。
「だから…起きてるってば!今、着替えてるんですーっ!!」
「さっさと降りて来なさいよ。遅刻するわよー」
いそいで着替え、慌てて階段を駆け下りる。
リビングに行くと、トーストを口にくわえ、慌てて玄関へと向かった。
その姿をあきれた様に見送る母の姿があった。
いよいよ新生活が始まる。
友達を沢山つくるんだ!
そんな思いを胸に学校へと急いだ。