ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜
工場をあとにして総務のある事務所ビルの玄関を通過したとき、急にわたしの前に立ち止まり、顔を覗き込んだ。
まだ日も高く、玄関ロビーに日がさしているが、他人の気配はなく、わたしと桐島課長だけしかいなかった。
「どうした? さっきから顔が青白い」
ようやく桐島課長はわたしに話しかけた。
まさかここで二階堂さんに似たひとが登場するとは思わず、まだ顔が引きつっている。
「いえ、なんでもないです」
「それならいいんだけど。変だったらいって。マニュアル作成が終わったから多少余裕があるから」
「は、はい」
桐島課長のやんわりとした言葉が耳から耳へと流れていってしまった。
わたしのことを気にかけてくれているのに、頭がまわらない。
どうして、二階堂さんがこの会社にいるんだろう。
あとで、メールしなくちゃ。
「しかし、龍也のやつ、ここまで星野くんと仲がいいとはな」
そういうと桐島課長は顔をしかめていた。
「生産機械設備課にいく用事があるときは俺に一言いってくれないか?」
そういうと、桐島課長はまっすぐな目でわたしをみつめていた。
鋭い眼光と桐島課長から醸し出されるその圧倒的な空気にのまれてしまう。
「龍也の思い通りにさせない。それに困った案件がひとつ増えそうだ」
「案件って」
「総務の仕事もひと段落ついたことだから、ゆっくり仕事していこう」
「……はい」
張り切った言い方で桐島課長はいうと、玄関から総務へと続く階段へと駆け上がる。
わたしは終業まで仕事に集中できないな、と思いながら桐島課長のあとを追いかけて総務の部屋へと戻っていった。
まだ日も高く、玄関ロビーに日がさしているが、他人の気配はなく、わたしと桐島課長だけしかいなかった。
「どうした? さっきから顔が青白い」
ようやく桐島課長はわたしに話しかけた。
まさかここで二階堂さんに似たひとが登場するとは思わず、まだ顔が引きつっている。
「いえ、なんでもないです」
「それならいいんだけど。変だったらいって。マニュアル作成が終わったから多少余裕があるから」
「は、はい」
桐島課長のやんわりとした言葉が耳から耳へと流れていってしまった。
わたしのことを気にかけてくれているのに、頭がまわらない。
どうして、二階堂さんがこの会社にいるんだろう。
あとで、メールしなくちゃ。
「しかし、龍也のやつ、ここまで星野くんと仲がいいとはな」
そういうと桐島課長は顔をしかめていた。
「生産機械設備課にいく用事があるときは俺に一言いってくれないか?」
そういうと、桐島課長はまっすぐな目でわたしをみつめていた。
鋭い眼光と桐島課長から醸し出されるその圧倒的な空気にのまれてしまう。
「龍也の思い通りにさせない。それに困った案件がひとつ増えそうだ」
「案件って」
「総務の仕事もひと段落ついたことだから、ゆっくり仕事していこう」
「……はい」
張り切った言い方で桐島課長はいうと、玄関から総務へと続く階段へと駆け上がる。
わたしは終業まで仕事に集中できないな、と思いながら桐島課長のあとを追いかけて総務の部屋へと戻っていった。