ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜
牧田先輩が手際よく校正分の仕事を割り振ってくれた。
牧田先輩からマニュアルの一部を渡してくれて直す作業を行った。どこからか視線が気になると思っていたら、桐島課長が資料をみながらこちらをじっとみていたので、首を傾げてみたら視線をはずした。
牧田先輩は黙々と作業をして、わたしも染谷さんもそれに続けとばかりに校正作業を行うと昼休みの時間に突入した。
午前中はその直しを済ませ、午後からは校正分を染谷さんに見てもらいつつ、納品書のチェックをしようと席をたつ。
階段をあがって社員食堂へと向かおうとしたとき、
「星野さん」
と聞き覚えのある声が階段の後ろから聞こえてきたので、踊り場で立ち止まると作業着姿の星彦さんが息をはずませながらこちらへ駆け上がってきた。
「二階堂さん」
「工場棟のひとも社員食堂が使えるって聞いてね。行ってみたら偶然星野さんがいるんだもんな」
「え、ええ」
「じゃあ、一緒にご飯食べようよ」
「でも」
さ、いこいこ、と星彦さんがわたしの背中を軽く叩くとしかたなく一緒に社員食堂へと向かい、すでに列ができている最後尾に並ぶ。
作業着姿のひとはたまに見かけるけれど、背が高く見栄えのする男性社員なので別の課の女性社員の目が隣に立つ星彦さんに注がれているのが一発でわかった。
受付カウンターに自分の番がくると、揚げ物重視のA定食か魚中心のB定食か迷ったけれど、結局いつものように魚のあるB定食を注文する。
星彦さんはわたしの注文を聞き、僕もそうしようかな、と同じものを注文し、カウンター伝いに配膳されたお盆に乗せられた定食を持ち、入り口に近いテーブルに向かい合わせで座った。
「ねえ。僕のこと、気にならない?」
「えっ」
お味噌汁を吹き出しそうになる。
あわててコップの水をあおった。
「初めて会ってもどこかで会った気持ち、しなかった?」
「それは……」
確かに月彦さんに似ている。
でも月彦さんよりも若干声のトーンが高いから別人なのだろうけど。
牧田先輩からマニュアルの一部を渡してくれて直す作業を行った。どこからか視線が気になると思っていたら、桐島課長が資料をみながらこちらをじっとみていたので、首を傾げてみたら視線をはずした。
牧田先輩は黙々と作業をして、わたしも染谷さんもそれに続けとばかりに校正作業を行うと昼休みの時間に突入した。
午前中はその直しを済ませ、午後からは校正分を染谷さんに見てもらいつつ、納品書のチェックをしようと席をたつ。
階段をあがって社員食堂へと向かおうとしたとき、
「星野さん」
と聞き覚えのある声が階段の後ろから聞こえてきたので、踊り場で立ち止まると作業着姿の星彦さんが息をはずませながらこちらへ駆け上がってきた。
「二階堂さん」
「工場棟のひとも社員食堂が使えるって聞いてね。行ってみたら偶然星野さんがいるんだもんな」
「え、ええ」
「じゃあ、一緒にご飯食べようよ」
「でも」
さ、いこいこ、と星彦さんがわたしの背中を軽く叩くとしかたなく一緒に社員食堂へと向かい、すでに列ができている最後尾に並ぶ。
作業着姿のひとはたまに見かけるけれど、背が高く見栄えのする男性社員なので別の課の女性社員の目が隣に立つ星彦さんに注がれているのが一発でわかった。
受付カウンターに自分の番がくると、揚げ物重視のA定食か魚中心のB定食か迷ったけれど、結局いつものように魚のあるB定食を注文する。
星彦さんはわたしの注文を聞き、僕もそうしようかな、と同じものを注文し、カウンター伝いに配膳されたお盆に乗せられた定食を持ち、入り口に近いテーブルに向かい合わせで座った。
「ねえ。僕のこと、気にならない?」
「えっ」
お味噌汁を吹き出しそうになる。
あわててコップの水をあおった。
「初めて会ってもどこかで会った気持ち、しなかった?」
「それは……」
確かに月彦さんに似ている。
でも月彦さんよりも若干声のトーンが高いから別人なのだろうけど。