ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜
「牧田先輩、何であんな怖い顔したんですかねー」
最上階にある社員食堂へ向かい、入り口に近い場所で昼食をとりはじめているところで、染谷さんがお盆を持ち、すべりこむように向かいの席に座った。
「そうみえただけじゃないのかな」
「そうならいいんですけど。新しい課長、どんなひとなんですかねー」
そういって染谷さんはニコニコしながら定食を食べている。
隣に座ったおじさん社員から定食で出されているデザートのプリンをもらったようだ。
黄色い声をあげてはしゃぐ染谷さんを見ながら残りのごはんを食べ終え、返却口に返す。
静かなところへいこうと、社員食堂の一階下にある非常階段の扉を開ける。
会議室のある場所なので普段はひとがこない。
まだ冷たい風が流れ込んでいるけれど、扉を開けたすぐの踊り場が会社の中で一番心地いい場所だ。
南側へじっと目を凝らせば駅のある繁華街やビルが立ち並ぶ場所を確認できる。
近くに目をやればのどかな田園が広がり、車もひともまばらな道路をみて、穏やかな空気に包まれる。
お昼用に持っている貴重品入れのトートバッグからスマホをとり、検索をはじめる。
相変わらず何の進展も手がかりもみつからないのに、本を探してしまう。
もし見つかったらどうにかなるのかといえばどうにかなるわけじゃない。
本を探すことで生きがいをみつけているんだろうな、とおぼろげに思う。
これ以上、恋愛できない体質が続けばその気持ちを埋め合わせる帳尻のいい理由を本に込めているだけだとわかっているけれど。
最上階にある社員食堂へ向かい、入り口に近い場所で昼食をとりはじめているところで、染谷さんがお盆を持ち、すべりこむように向かいの席に座った。
「そうみえただけじゃないのかな」
「そうならいいんですけど。新しい課長、どんなひとなんですかねー」
そういって染谷さんはニコニコしながら定食を食べている。
隣に座ったおじさん社員から定食で出されているデザートのプリンをもらったようだ。
黄色い声をあげてはしゃぐ染谷さんを見ながら残りのごはんを食べ終え、返却口に返す。
静かなところへいこうと、社員食堂の一階下にある非常階段の扉を開ける。
会議室のある場所なので普段はひとがこない。
まだ冷たい風が流れ込んでいるけれど、扉を開けたすぐの踊り場が会社の中で一番心地いい場所だ。
南側へじっと目を凝らせば駅のある繁華街やビルが立ち並ぶ場所を確認できる。
近くに目をやればのどかな田園が広がり、車もひともまばらな道路をみて、穏やかな空気に包まれる。
お昼用に持っている貴重品入れのトートバッグからスマホをとり、検索をはじめる。
相変わらず何の進展も手がかりもみつからないのに、本を探してしまう。
もし見つかったらどうにかなるのかといえばどうにかなるわけじゃない。
本を探すことで生きがいをみつけているんだろうな、とおぼろげに思う。
これ以上、恋愛できない体質が続けばその気持ちを埋め合わせる帳尻のいい理由を本に込めているだけだとわかっているけれど。