ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜
制服から私服に着替えると、ほっとした分、普段の地味な自分に戻る。

夕飯の食材をスーパーへ寄り道し、自宅マンションへと到着した。

ちらりと隣の部屋のドアをみる。

まだ桐島課長は帰ってないんだろうな、と思いながら、自分の部屋の中へと入っていった。

テーブルの上には月星書房からもらったあの恋愛コンシェルジュマスターのチラシが置いてある。

話だけでも聞いてこようかな。

変な商材を売られたらどうしよう。

適当につくった夕飯を食べ終えて、『苦い恋の始め方』を読む。

やっぱり二階堂重彦ワールド全開だった。

学生になった自分へと心が引っ張られる。

主人公と登場人物の男子とは二転三転したけれど、最終的にはロマンチックな状況で二人は出会い、結ばれた。

やっぱり恋愛はハッピーエンドじゃなくっちゃ。

わたしのする恋もハッピーエンドにしたい。

巻末に目を通すと、続編発表とあったけれど、これ以降の二人の話が続くっていうこと?

予告だけだしておいて、諸般の事情で結局本を出せなかったものなのかな。

月星書房にいってその辺を詳しく聞いてみよう。

あくまで本の続きであって、恋愛コンシェルジュマスターのことはあくまで『ついで』で聞いてみることにしよう。

そう思えたらキモチが楽になった。
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