ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜
大きな白いテーブルと茶色い皮のソファのある、応接室へと案内された。
奥は窓に白いカーテンがかけられ、間接照明で明かりを調整しているのか少し薄暗かった。
テーブルの上にあるランプを灯してくれて少しだけ部屋の中が明るくなる。
部屋の中はどことなく甘い香りが広がっているから、どこからかお香が焚かれているんだろう。
わたしが入り口付近に座っていると、あとから二階堂さんがバインダーに挟まれた何かを持ってやってきた。
「こちらに必要事項を書いてください」
二階堂さんから渡されたカルテのようなものに過去の恋愛について、それとこれからの恋愛について記入して渡した。
「わたし、ちゃんとした恋愛したことがなくて、好きなひとにはことごとく振られて。でも、今回もまた振られるんじゃないかって思って」
何だろう、勝手にポンポンと二階堂さんに話している。
友達にもいえるけれど、ごまかして話をしていたこともあったから、正直に恋愛について話をするってことは今までなかった。
だから、次から次へと恋愛についての話がしたいのをずっと我慢していたのかもしれない。
二階堂さんはそんなわたしをみて、変な顔をするどころか、ウンウンと優しい顔をしてうなずいてくれた。
「なるほど。あまり恋愛は得意じゃないんですね」
「ええ。でも、今回ばかりはその人と恋におちたいって思っていて」
「そうですか、わかりました。星野さんの熱意が伝わりましたよ」
するすると話が進んで行く。
わたしはただ二階堂重彦の本について話をしたかっただけ、なのに。
まるで自分じゃないみたいだ。
奥は窓に白いカーテンがかけられ、間接照明で明かりを調整しているのか少し薄暗かった。
テーブルの上にあるランプを灯してくれて少しだけ部屋の中が明るくなる。
部屋の中はどことなく甘い香りが広がっているから、どこからかお香が焚かれているんだろう。
わたしが入り口付近に座っていると、あとから二階堂さんがバインダーに挟まれた何かを持ってやってきた。
「こちらに必要事項を書いてください」
二階堂さんから渡されたカルテのようなものに過去の恋愛について、それとこれからの恋愛について記入して渡した。
「わたし、ちゃんとした恋愛したことがなくて、好きなひとにはことごとく振られて。でも、今回もまた振られるんじゃないかって思って」
何だろう、勝手にポンポンと二階堂さんに話している。
友達にもいえるけれど、ごまかして話をしていたこともあったから、正直に恋愛について話をするってことは今までなかった。
だから、次から次へと恋愛についての話がしたいのをずっと我慢していたのかもしれない。
二階堂さんはそんなわたしをみて、変な顔をするどころか、ウンウンと優しい顔をしてうなずいてくれた。
「なるほど。あまり恋愛は得意じゃないんですね」
「ええ。でも、今回ばかりはその人と恋におちたいって思っていて」
「そうですか、わかりました。星野さんの熱意が伝わりましたよ」
するすると話が進んで行く。
わたしはただ二階堂重彦の本について話をしたかっただけ、なのに。
まるで自分じゃないみたいだ。