ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜
わたし、星野奈々実はもうかれこれ24年もまともな恋をしたことがない。

好きになる人はたいてい彼女持ち、妻子持ちが多いのはもちろん、シングルでも女性アイドルやグラビアアイドルに熱をあげた人だったり、美少女関係のアニメを得意とする人だったりした。

前回の合コンのセッティングはしっかりとした社会人にしたほうがいいという明日菜の希望で募った人たちで、好きになった人はそれなりに社名を聞けばあの支店に勤めているんだ、とすぐ想像ができた。

今度こそはまともな社会人と付き合えることができると信じていたのに。

やっぱり別に彼女を持っていたなんて。

見る目がないのかな、と思いながら、どこかでわたしを待っている人がいるんじゃないかと探してみるけれど、声をかければ、『奈々実ちゃんにはもっとふさわしい人がいるよ』とか、『かわいい奈々実にはオレはもったいない』と引かれる。

自分の容姿はどうなのかと友人代表、明日菜に聞いてみても悪くないと答えてくれる。

身長も155センチだし、体重だってそれなりに頑張って学生時代からの標準体重よりは若干やせている。

平凡な顔つきだからなのかな、と学生時代、居間でくつろいでテレビをみてゲラゲラ笑いあう両親の顔をみても、父も母もお互い端正な顔に年相応の貫禄をつけていたのを思い出した。

年をとったらあんな感じになるのかな、と思いながら自分のマンションの洗面台の鏡に自分の顔を映して自分のなさけない顔つきにはあ、とため息をつく。
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