ベタ恋!〜恋の王道、ご教授願います〜
次の日、もしかして桐島課長とすれ違ったらそれとなく話をしようと思っていたけれど、買い物で外にでてもとくに会うこともなく、結局いつも通りの日曜日の過ごし方をした。
何か新しい気持ちの切り替えが必要だったけれど、昨日のことがずっと心残りで本棚にあった読みかけの本に手をかけても、文字がすべってよく読めなかった。
日曜がすぎ、月曜になり、会社へ向かう。
わたしを待ちわびていたのか、なんなのかわからないが、更衣室で染谷さんがすでに制服姿で待っていた。
更衣室は数人いて着替えてはいたが、牧田先輩の姿はない。
「星野センパーイ、おはようございます。金曜日はどうも」
「おはよう。金曜日、楽しかったね」
「あとちょっとアタックしたらうまくやれたんですよー」
「そう」
ふてくされている隣でわたしはロッカーの扉を開き、制服に着替え始めた。
「普通、送ってくれると思いません? あの感じだったら絶対タクシーに乗り込みますよねー」
普通ってなんだ。普通とは。
今までつきあっていた男性をそうやってターゲットにして誘いこんだっていうのか。
「どうなんだろうね」
「もう脈ないかもしれませんー。でももういいんですー。他の課の同期から飲み会やらないか、って誘われて、そこに新人もくるっていうので」
「あら、そう」
「星野センパイもよかったらどうかなーって」
「わたしが行ったって白けるだけだし。若い子たちで仲良くやれば」
「なーんだ。せっかく誘ったのにー。同僚からも星野さんならいいかな、っていってたんですけど」
そうやってまた幹事とかめんどくさい事務的なことを押し付けるんだろう。
「どんな飲み会やるのか教えてよ」
着替えをすませ、ロッカーの扉をしめる。カバンをもって更衣室からでると、一緒に染谷さんもついてきた。
「桐島課長、いつもとちょっと違ってました」
「え?」
「話をしても上の空だったし。少しだけしかお酒、口にしてなかったし」
桐島課長、酔っているようにみえたけれど、そうではなかったんだ……。
何か新しい気持ちの切り替えが必要だったけれど、昨日のことがずっと心残りで本棚にあった読みかけの本に手をかけても、文字がすべってよく読めなかった。
日曜がすぎ、月曜になり、会社へ向かう。
わたしを待ちわびていたのか、なんなのかわからないが、更衣室で染谷さんがすでに制服姿で待っていた。
更衣室は数人いて着替えてはいたが、牧田先輩の姿はない。
「星野センパーイ、おはようございます。金曜日はどうも」
「おはよう。金曜日、楽しかったね」
「あとちょっとアタックしたらうまくやれたんですよー」
「そう」
ふてくされている隣でわたしはロッカーの扉を開き、制服に着替え始めた。
「普通、送ってくれると思いません? あの感じだったら絶対タクシーに乗り込みますよねー」
普通ってなんだ。普通とは。
今までつきあっていた男性をそうやってターゲットにして誘いこんだっていうのか。
「どうなんだろうね」
「もう脈ないかもしれませんー。でももういいんですー。他の課の同期から飲み会やらないか、って誘われて、そこに新人もくるっていうので」
「あら、そう」
「星野センパイもよかったらどうかなーって」
「わたしが行ったって白けるだけだし。若い子たちで仲良くやれば」
「なーんだ。せっかく誘ったのにー。同僚からも星野さんならいいかな、っていってたんですけど」
そうやってまた幹事とかめんどくさい事務的なことを押し付けるんだろう。
「どんな飲み会やるのか教えてよ」
着替えをすませ、ロッカーの扉をしめる。カバンをもって更衣室からでると、一緒に染谷さんもついてきた。
「桐島課長、いつもとちょっと違ってました」
「え?」
「話をしても上の空だったし。少しだけしかお酒、口にしてなかったし」
桐島課長、酔っているようにみえたけれど、そうではなかったんだ……。