サヨナラケイジ
それって結城のことだよね、やっぱり。


「失礼なことって?」


そう尋ねると、山本先生は肩で大きく息をついた。


「あの刑事がな・・・・・・。『山本先生がいちばん共通点があるんです。なにか知っているんじゃないですか?』って聞くんだ。驚いて声も出なかったよ」


「・・・・・・」


思わず浩太と目を見合わせた。

それって、私たちが聞きたかったことだ。


「まったくイヤになるよな」


自嘲ぎみに笑う山本先生が、私を見たので合わせて「あはは」と笑って見せたけどそれは乾いた笑い声になるだけだった。


「先生はなんて答えたんですかぁ?」


間の抜けた声で友季子が尋ねる。

すると山本は、急に真顔になり唇をかみしめて黙りこんでしまった。

すぐに、

「ウグッ」

と、ヘンな声が聞こえた。


イヤだ。


なにか食べ物をつまらせちゃったのかしら。
< 152 / 283 >

この作品をシェア

pagetop