イジワル上司に焦らされてます
 


「それで?他に、言いたいことは?」


「わ……っ、私の理想は仕事ができて優しくて、私より背が高くて、浮気しなくて。ギャンブルしなくて、基本的に価値観が合って……ある程度ユーモアがあって、普通にカッコ良くて、やっぱり仕事ができて………私の仕事に、理解のある人です……っ!」


「お前の理想、高過ぎじゃねぇ?」



そう言うと、今度こそ不破さんが堪えかねたように喉を鳴らして笑った。

本当に、どうしてこんなことになっているのか……

だけどもう、どうやっても後には引けない。



「そ、そうです、高いんです!だから、中々理想の人には出会いません!」


「あー、な」


「それに、そもそも私は、" 宝の持ち腐れ " みたいで……」


「宝の持ち腐れ?」


「し、親友に、言われました……。私は役に立つものを持っているのに、それを有効活用できてないって……。私のルックスならモデルか芸能人にでもなって玉の輿を掴んで……セレブ生活が送れるのに何でデザイナーになったんだ、って……」


 
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