イジワル上司に焦らされてます
「っていうか、俺の方こそお前にまだ聞きたいことがあるんだけどな」
「……なんですか?」
「意地っ張りな彼女のせいで、俺も結構振り回されてる」
そっと私の頬に指先を滑らせて、甘くなったそこで私の唇を優しく撫でる。
それだけで身体が震えて、目の前にいる愛しい彼の全てが欲しくなった。
本当にワガママな私の心。
本当は彼が欲しくて堪らないのに、なかなか素直になれない私の心。
「俺もまだ、お前から、好きって言われてないんだけど」
「え……?」
「蘭の言葉で、ずっと聞きたかった」
そう言う彼があまりにも真剣だから、思わずキョトンとしながら見つめてしまった。
その間に、ゆっくりと降りてきた唇。
優しく触れた唇に身を委ねれば、その隙をついてワンピースのファスナーが下ろされる。