イジワル上司に焦らされてます
その自信たっぷりな態度と表情をする時は、大抵、碌なものじゃない発言が飛び出す時だ。
現に、ほら……私の不破さんに対する予想は、下手な天気予報より外れない。
「だって、見た目も良くて仕事もデキる男なんて、日下部はもう見飽きてますから」
「……は?」
「俺といつも一緒にいるんだから。そんなの、惹かれる理由にならないだろ……ってことです」
「だから、辰野さんとか眼中になし」、なんて。
続けてそう言った不破さんを前に、一体、どの口がそれを言うか……とは、その場にいた全員が、声にすることはできなかった。
「まぁ、困ったらいつでも言えよ、蘭ちゃん?」
そう言って、今度はとてもイジワルに笑う、私の上司。
相変わらず掴めない……私の、上司。