イジワル上司に焦らされてます
 


……ああ。今の私は、起きながらにして夢でも見ていたのだろうか。

それとも何か、悪いものでも食べたのかな。



「日下部くん、もしかしてちょっと疲れてる?良かったら、チョコレート食べる?」

「ありがとうございます……」



ううん、だけどこれは夢じゃない。

夢だと思いたいけど、現実だ。



" 大体にして、俺は "


『 ─── お前にとって、そんなもんか 』



エレベーターの扉が、閉じる間際。

やっぱり不本意そうに眉根を寄せた不破さんが続けた、その言葉の真意は?


……どうしよう、頭が痛い。


考えれば考えるほど、嫌になるくらい不穏な音を立てる私の心臓。


結局その日はオフィスに戻っても、仕事に集中するどころか不破さんの顔を見ることさえできなかった。


 
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