flower
同居
鍵を開けて家に入り、家が真っ暗なことに気づく。そういえば、LINEでママ達出掛けるって来てたな。何時頃返って来るのかな?
リビングの電気を着けて、ソファーに鞄を置いた所でテーブルの上にあった置き手紙らしき紙に手を伸ばす。
〖日向おかえり。
今日は19時頃お客さんが来るから、丁重におもてなしして……ピンポーン
読み始めてすぐに家のインターホンが鳴る。テレビの上の壁掛け時計に目を向けると19時を指していた。
お客さんって誰だろ?と思いながら受話ボタンを押して、返事をする。
「はーい、どちら様で……」
画面に写し出された人物を見て、目を見開く。だってそこに居たのは、さっきまで一緒にいた先生だったから。
「その声…日向か?俺だけど。」
俺だけどって、オレオレ詐欺か!ってツッコミたくなったのは抑えて、外の先生に尋ねる。
「どうして先生がいるんですか?」
画面越しの先生はキョトンとした顔をしている。私何も変なこと聞いてないよね。
「お前何も聞いてないのか?…まぁいい、とにかく家に入れてくんない?話したら長くなると思うから。」
そう言われて、玄関の鍵を開けに行く。扉を開けて入って来た先生の足元に来客用のスリッパを出す。