シンデレラとサッカー王子
大臣
「頼みますよっ。
もう国王様も王妃様も
お年を召していらっしゃる。
ですから、そろそろ王子には
身を固めていただかないといけません。
いいですね?これを期に、
ちゃんとお妃様をお選びになって下さいよ!
その方と共に国を継いでいくのですから!
わかりましたか!?」
(出た出た。大臣のお小言が)
と、王子様は可愛い顔して、
心の中でうんざりしました。
王子
「わかってるって。
しかし、何で舞踏会なんだ?
私はサッカー大会の方が面白いと思うのだが。
私からボールを奪って
ゴール出来た者を妃にする……
てのはどうだ?」
大臣
「何を言いますか!そんなんで
ちゃんとしたお妃様を選べますか!
もしそれが、がさつでゴツい女性だったら
どうするんです!」
王子
「……やっぱりダメか」
大臣
「とにかく、早く来て下さい!いいですね!」
王子
「はいはい」
大臣
「返事は一回でよろしい!」
王子
「……はい」
大臣
「まったくもうー」
大臣は、小言を言い終えると、
部屋を出ていきました。
王子
「ヤレヤレ。
大臣は相変わらず細かいなぁ……。
それにしても、お妃様か……
やっぱり一緒にサッカーしてくれそうな、
元気な女性がいいな」
王子様は、まだ見ぬお妃様に
淡い期待を抱きました。