シンデレラとサッカー王子


王子
「大臣……あれは?」


大臣
「えっ?……さぁ、何でしょう?
私にもわかりませぬが……」


二人は何事かと、
人集りのそばまで行ってみることに。

すると、人ごみをかき分け、
メイド達が忙しそうに料理を運んでました。


大臣
「どうしたんだ。何事だ」


メイド
「あぁ、大臣様。それが……
あそこにいる二人が
大食い大会を始めてしまって……」


大臣
「おっ……大食い大会だとぉ!?」


メイド
「はい。その二人と言うのが、
町一番の巨漢(きょかん)・トニーと、あと……
とても美しい、
どこかの姫君らしき方なんです」


大臣
「何だって!?
勝手にそんな大会を開かれては困る!
なぜ誰も止めぬのだっ!」


メイド
「それはあまりの大食いっぷりに、
兵士も家来もみんな止めるのを忘れて、
どっぶり見入ってしまってるんです……」


大臣
「えぇい!ならば私が止めるっ!
どけっ!どかぬかぁ!!」


大臣は、
人ごみをかき分けながら進んでいきました。

王子様も後に続いて行き着くと……

テーブルの料理を次々と平らげていく、
二人の姿が。

メイドの言うとおり、
そこには町一番の巨漢・トニー。

そして、美しい姫君らしき方……。

それはなんと……シンデレラだったのです!

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