シンデレラとサッカー王子
シンデレラ
「……はい?何でしょうか?」
王子
「あの、もしよかったら……
私と一緒に踊っていただけませんか?」
シンデレラ
「……えーっ!私と!?」
なんと王子様は、
大食いシンデレラに興味を示したのです!
大臣
「王子!こんな大食いの庶民と
踊ると言うのですか!?
確かに見た目は美しいですけど……」
王子
「いいではないか。
お妃様は庶民とか関係なく
選んでいいのだろう?
悪い方ではなさそうだし……
私は、この方と一度踊ってみたいのだ」
大臣
「そうですがー……」
シンデレラ
「いや、遠慮しておきます」
大臣
「えぇー!?断るんかい!」
今までは王子様が誘えば皆必ず乗るのに、
シンデレラは、
そんな王子様の誘いを断ったのです。
異例の事態に、大臣はものすごく驚きました。
大臣
「王子の誘いを断ると言うのか!?」
シンデレラ
「だって……私踊りに興味ないし。
ていうか踊れないし」
大臣
「何て無礼なっ!……」
そんなKYシンデレラに
怒りだしそうになった大臣を、
王子様は遮(さえぎ)りました。
王子
「大臣、いいんだ。それなら心配ない。
私が踊りながらゆっくりと教えるので。
だからどうか……お願いします」
王子様の懸命なお願いに、
シンデレラは戸惑いました。
シンデレラ
「どうしよう……あの、今何時ですか?」
大臣
「へっ?今は10時だが……」
シンデレラ
「そっかぁ……まだ時間はあるから
大丈夫かな?
じゃあ王子様……よろしくお願いします」
シンデレラは、王子様と踊る事にしました。
やっと願いを聞き入れてくれて、
王子様はとても嬉しそうでした。
王子
「あぁ良かった。じゃあ行きましょう」
王子様はシンデレラの手を取り、
ゆっくりと踊り場へ歩いていきました。