ラブ アゲイン
「あの時はどうにかして菜々を楽にしてやりたかった。就職だけで人の価値なんて決まらないって事、伝えたかった。
俺は、この先もずっと菜々と一緒に生きていくと思ってたから、あの時言ったあの言葉は……ぷ、プロポーズのつもりで、……
まさか、そんな風に受け止めてられてたなんて思いもしなかったな。
だから音信普通になった時、この世の終わりかって位衝撃を受けた」

少し体を離して濱田がはにかむ笑顔を見せる。

「別れの言葉は聞いていない。何かの間違いだって自分に言い聞かせながら、菜々を捜したよ。
休みの日は思い付く場所へ足を運んだし、高校大学の知り合いに、片っ端から連絡付けた。
でもダメだった。頼みの綱のもっちゃんも、知らぬ存ぜぬ決め込むし、最後の砦のおばさんからも何も聞き出せなかった。

同じ日本に居て何で逢えない?だったらって、海外勤務の要望を提出した」

濱田の腕の中で、菜々はまた涙を流した。

物凄い濱田の告白に、もしかしたらまだ、自分は愛されているのではないかと、勘違いしそうになる。

「もう、また泣く?ってか知ってる?
俺が菜々の涙に弱いの…
わかってて泣いてる?」

濱田は眉をこれでもかって位に下げ、苦笑いしながら菜々の頬を伝う涙を両手の親指で拭う。


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