あなたの傍に居させて

「失礼します。」と声を掛けて中へと進む。

そこには私に代わって秘書に就いた綾香がいて、「京香、ようこんなんの相手してたな。」と、呆れ顔で言い出す。

「ダメよ、綾香。高橋専務にそんな口の利き方しちゃ。」


研究、研究で忙しい高橋専務のスケジュール管理はとても大変だ。

それに加えて商品開発の知識もなくてはならない。

けど、私の後任が綾香だと聞いて安心はしていた。綾香は出来る秘書だから。


「お久しぶりっスね、京香さん。」
「はい、お久しぶりです、高橋専務。」


簡単な挨拶をし、今日の打ち合わせを明日に回して欲しいと申し出た。


綾香がスケジュールを確認し、明日の朝一で行う段取りを取り付けた。