好きだけど、近づかないでくださいっ！

「傷つきたくないから、恥ずかしいから、そんな自分勝手な気持ちで振り回される人の気持ちをお前は体験しなきゃいけないと思う。でなきゃいつまで経ってもお前のスキサケは治らない」

「自分勝手な気持ち・・・」

「俺は、お前にきちんと克服してほしい。だから、本当にお前を避ける。目も合わせない、話もしない。わざとらしく避ける。これが俺の最後の嫌がらせだ」

何一つ、反論の余地がなかった。私は今までスキサケのせいで好きな人ともうまくいかないと思っていた。

でも、スキサケを誰よりも嫌がっていた私が、誰よりも利用していた。私は悪くない、スキサケが悪いんだと。

だから、康介くんにそれを指摘されて、本当に今まで、私は自分勝手だったんだと認めざるを得なくなった。

「そんな考えることじゃねえよ。自分の気持ちに素直になれっていうことだ」

「・・・素直に？」