好きだけど、近づかないでくださいっ!
ストレートに気持ちを表現してくれた康介くん。その気持ちに応えたい。

そして、夜景を堪能した後の帰りの車の中。彼は、私を好きになった話をしてくれた。

「俺、お前に救われたんだよ。同期にも避けられてさ、せっかく昇進したのに、会社に来るのが憂鬱だったときにお前が入ってきたんだ」

「・・・私、何かしましたか?」

「何かしたって直接的なことはねえんだけど、楽しみが出来たかな。お前、要領はいいほうじゃねえけど可愛いし、愛嬌あるし、なんていうか気づいたら目で追ってた」

「そ、そうなんですか」

「でもさ、それが好きとかは自覚なかったんだよ。可愛いなと好きは違うって思ってたから。でも、お前に避けられるようになってさ、気づいたんだ。すげー辛いなって」

「康介くん・・・」

「バカみてえに何かしたかななんて考えたり、どうしたらまた普通にしてくれんだろうとかさ。なんかそんなんばっか考えて・・・あっ、俺、好きなんだって。ストンって答えが出た」
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