好きだけど、近づかないでくださいっ!
あの日から二週間近く過ぎた。康介くんは言葉通り、私を徹底的に避けた。

ただ、課長補佐からも外されるものだとばかり思っていたけれど、それだけは継続のまま。

でも、それが余計に苦しい。こんなに近くにいるのに、話すことも目が合うこともない。


でも、私はそれをやっていたんだ。

こんなにも傷つくなんて思ってなかった。私とは話すこともないのに、他の人に優しくしたり、笑いかけたりしてる姿は見てるだけで涙が出そうになる。

たった数日なのに、もうそれがずっと続いているかのように毎日が辛い。

でも、この荒療治のおかげで今はスキサケなんかよりも好きで好きで仕方なくて、こっちを振り向いて欲しくて、触れたくてたまらなくなった。

私に足りないのはほんの少しの勇気だけ。

今日こそは、一言でもいい、話しかけると決めても、いざ話しかけようとすると、どうしても躊躇ってしまう。
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