好きだけど、近づかないでくださいっ!
耳が熱い。お腹も熱い。頬も熱い。身体中が熱くて火傷しそうだ。

とんでもない言葉と共に降ってきた耳へのキスに失神するかと思った。

あの後、課長はシュークリームを食べてから戻って来いと先に部署に戻って行った。

「シュークリーム、食べなきゃ」

誰かに食べられる前に食べようと冷蔵庫からシュークリームを出すも、さっきよりは欲しくない。

それよりも今はこのどうしたらいいのか分からない火照りを何とかしたい。


でも、せっかく課長が私のために買ってきてくれたんだから食べなきゃと一口、シュークリームを齧った。


「やっぱり美味しい」


こんなとき普通なら味がしない、美味しくない。

そう感じるものだろうが、私の舌はちゃんと美味しいものは美味しいと認識してくれた。
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