好きだけど、近づかないでくださいっ!
淹れた紅茶は冷めていた。でも、そんな長くここにいるわけにもいかない。

それに火照っているのだからこれ以上熱いものもいらないかと冷めた紅茶を飲み干してマグカップを洗い、部署に戻った。

集中、集中。あんなことをされてますます意識してしまうけれど、意識すればするほどミスをしてしまいそうで怖い。


学生のときはそれが原因で成績が落ちた。本当に厄介な体質だ。


終業時間のチャイムが鳴る。

なんとかミスもなく終えることが出来た。というのも先に戻ったはずの課長がずっと席を外したままだったから。


最初は不思議に思ったけれど、そのあと電話対応に追われ、いい意味でバタバタしていたので気にならなかった。


でも、チャイムが鳴っても戻ってこないなんて珍しい。避けるくせにいないと姿を探してしまう。


会いたくなってしまう。
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