好きだけど、近づかないでくださいっ!
切ない彼の横顔
「良かったじゃない。完全なる荒療治よ」

結局、私が叫ぼうが喚こうが決まったものは決まったもの。

私のデスクは課長の目の前に移されて、正式に私は課長補佐に任命されてしまった。

当然、仕事がそれほど出来るわけもない私が補佐なんてといい風に思わない人たちもいて。

その度、それをスマートに交わす課長を遠目で見ながら、やっぱり素敵だなと思った。

「俺の補佐なんてお願いして、仕事が滞ってしまうと困る。仕事の出来る人間にはそれなりに活躍してほしいと思うから通常業務で更なる飛躍を期待してる」

でも、それと同時にあんなことを言いながらも裏では全く別のことを考えていそうな俺様部分をなんとなく想像してしまった。

「本当、荒療治も荒療治。ミスしかしないかもなんて不安でいっぱい」
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