好きだけど、近づかないでくださいっ!
確かに私はスキサケという体質だし、それを克服するために付き合うっていう条件付きだったかもしれない。

でも、それは私の存在を否定されたような気がした。

そんな私に追い打ちをかける仕打ち。聞こえてきた数名の女の子たちの声。

嫌でも一番耳に響いてきたのは、さっきの課長に言いよっていた女の子の声だ。

「課長さ、ヤバくない?かっこよすぎなんだけど。梨花、今日の懇親会で課長おとすー!」

「梨花ならいけそうで怖いんだけど。やっぱり、色仕掛け?」

「当然。あぁっでも、今日そんなつもりなかったから下着可愛くないんだよね。今から買いに行っちゃおうかな?」

「いいじゃん。適当にごまかしておくから下着買っておいでよ」

「本当に?じゃあ行ってくる」

懇親会?課長をおとす?色仕掛け?そんな耳を塞ぎたくなるような単語がぽんぽんと飛び交う。

そして、仕事をサボって下着まで買いに行く?

確かに仕事をサボっている私が言えることではないけれど、ふざけるな。絶対に絶対に阻止しなきゃ。


課長は、私の・・・。
< 72 / 113 >

この作品をシェア

pagetop